手塚治虫「ブラックジャック」の神エピソード「おばあちゃん」あらすじネタバレ
手塚治虫の描いた無免許の天才外科医の活躍を描いた
漫画「ブラックジャック」
その中でも屈指の名作と呼ばれるエピソード
「おばあちゃん」について紹介したいと思います。
何年も前に漫画で読みましたがあまりにも名作過ぎて
忘れられません。
この記事はブラックジャック本編のネタバレを含みます。
ネタバレ見たくない人は読まないでくださいね。
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ある老婆がその息子の家族と一緒に暮らしている。
老婆はけちんぼでいつも息子にお小遣いをねだってくる。
なにかプレゼントしたいとか、一緒においしい物でも
食べようと息子が言っても、
「物はいらないからとにかく金をくれ、小遣いをくれ」
とせびるのだ。
そんなお金への執着が強い母親を息子は常々苦々しく思っていた。
老婆が出掛けるとき、息子はお金を何に使うのか知りたくなり
尾行してみることにした。
息子の母親が向かった先は病院だった。
実は息子は赤ん坊のころ病気で生死の境をさまよう
大手術をしたのだった。
担当した医師は名医だったが、手術料として莫大な金額を要求した。
母親は「それでも息子の命には代えられない、その手術代は
自分が生涯をかけて払う」と約束した。
そして今日まで、その約束を守り、息子からもらえる小遣いも
義理堅く全部この病院への支払いに充ててきていた。
担当した医師はとっくに亡くなっており、その医師の遺族からは
「もうお金は持ってこなくていいですから」と言われていた。
その話を尾行して聞いていた息子は
母親の自分への強い愛情を知り号泣する。
そんなとき、その母親が倒れてしまう。
急病でとても危険な状態になってしまった。
そこに偶然居合わせたのが天才外科医ブラックジャック
ブラックジャックは息子に問いかけた。
「普通の医者なら助けられないぜ。
でも俺が執刀すれば数%の可能性はある。
だが、俺の手術代はとんでもなく高いぜ。
あんたに払えるのかい?」
すると息子はまったく迷うことなくこう答えた。
「い、いいですとも!
一生かかってもどんなことをしても
払います!
きっと払いますとも!」
ブラックジャックはその言葉を聞くとこう言った。
「それが聞きたかったんだ。」
何度読んでも泣けるいい話!
最後のブラックジャックの言葉
「手術費をちゃんと払うんだろうな」という
意味ではないんですよね。
なりふり構わず母親を救いたいと願う
息子の必死な姿を見たかったのです。
ブラックジャック自身は幼いころ、
悪党に爆弾をしかけられて母親を亡くしています。
その事故の影響でブラックジャック自身も
生死の境をさまよい、おなじみの継ぎはぎの
醜い顔になったのですが。
そもそも
ブラックジャックが無免許で外科医を
続けている一番の目的は
母親の事故死の原因を作った者たちへの復讐なのです。
だから、このお話で母親を助けようと願う息子に
強い感情移入をしているのです。
この後、手術が成功して母親が助かったのかどうか
までは描かれていませんので不明です。
助かっていてほしいですね!
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